鉄素材は、そのまま自然界に存在しているわけではなく、原料となる鉱石を熱で溶かすことで取り出されたものです。本来、鉱石は空気中に含まれる酸素や水分に触れ続けているため、酸化鉄として存在しています。そのため、人為的に取り出された鉄素材は、空気中の成分と触れ、自然の元の姿に戻ろうとするため錆が発生します。

3.防錆油が錆の発生を防ぐ役割と原理とは

防錆油を塗布することで錆の発生を防ぐことができると説明しましたが、その役割としてはどのようなものがあるのでしょうか。

空気中の酸素や水分、埃などと金属成分が化学反応を起こすことを防ぐ役割
腐食性ガス(硫化水素など)から保護する役割
素手で触れる際の指紋や油分、汚れの付着を防止し清浄度を維持する役割

「1.防錆油とは」で説明したように、金属表面に対して防錆油を塗布することで、防護膜が形成されます。物理的に空気中の成分や指紋などの汚れが金属表面と接しないようにすることが、防錆油の防錆原理となります。

4.防錆油の塗り方と落とし方

防錆油を塗布する際には、必ず金属表面の汚れや水分を拭き取ってから塗らなければ、本来の防錆効果を発揮することができません。

塗布の方法は複数あり、浸漬、スプレー・シャワー塗布、ハケ塗りなど場面・対象の製品ごとに適した塗布作業を行います。

脱脂の処理方法は、主に２種類に分かれます。

圧縮した空気によって水と研磨材が混ざった液体を噴射することで金属表面を洗浄するウェットブラスト法、洗浄層内を蒸気で充満させてから蒸気を液状化させることで洗浄する蒸気洗浄法などの物理的方法。
金属表面に塗布された油分を溶剤で溶かして洗浄する溶剤脱脂、アルカリ性の水溶液に浸漬することで洗浄するアルカリ浸漬脱脂などの科学的方法。

5.防錆油のメリット・デメリットとは？

　メリット　

製品価格が比較的安価
一般的に認知度が高く、比較的入手が容易
液状のため気化性防錆剤製品とは異なり、即効性がある
(塗り残しがなければ)細部まで塗布して防錆することができる

　デメリット　

作業現場の油汚れになってしまう
塗布する手間、脱脂する手間に非常に多くの工程数と時間が必要となる
しっかり塗ったつもりでも、塗りムラなどがあると錆が発生してしまう
油を除去する過程で発生する廃液の廃棄物処理にコストがかかる

6.防錆油の効果が継続する期間はどのくらい？

防錆油の有効期限は、メーカーにもよりますが梱包後3ヵ月から2年程度と言われています。塗布した防錆油で形成された防護膜は酸化することで厚みが薄くなっていき、防錆効果が薄まっていきます。防錆期間を延長する場合は、脱脂し、再度塗りムラが起きないように塗布作業を行うことで継続して保管することができます。

7.防錆油に代わる防錆効果が高い防錆フィルム「インターセプトテクノロジー」

防錆油は一般的に広く認知されており、価格も安価であることからさまざまな企業で使用されています。一方で作業現場に油汚れが付いてしまう点、塗布脱脂作業に手間がかかってしまう点などを不満に思う方々も多くおられます。

桜井株式会社が販売する防錆フィルム「インターセプトテクノロジー」は、防錆油を一切使わずに防錆保管することができるため、油汚れも塗布脱脂作業の手間も発生しません。

また、3～5年程度の防錆効果を維持することができるため、長期的保管を行う場合にトータルコストを抑えることができます。

もしご存じではなかった方、少しでもご興味を持っていただけた方は、ぜひ問合せフォームよりご相談ください。まずは資料をみたい、という方は資料DLフォームよりダウンロードしていただけます。

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8.おわりに

今回は防錆油に関してさまざまな内容をまとめてみました。防錆対策として防錆油をご検討されているお客様にお役に立つ情報となり、また防錆油を一切使わない防錆方法もあることを知っていただけましたら幸いでございます。

桜井株式会社は、防錆対策にお困りのお客様に、しっかりとヒアリングをした上で最善と考えるアドバイスをご提供いたします。お困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

執筆者紹介

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第三営業部　開拓・開発グループ

防錆フィルム「インターセプトテクノロジー」販売の中核部門として活動。2023年7月にインターセプトテクノロジージャパン㈱より事業譲渡を受け、日本総代理店として米国EMI社とパートナー契約を締結。現在、国内はもとよりアジア各国へ販売展開中。

防錆油とは？メリット・デメリットや使用方法を説明します！

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