スマートグラス導入ガイド|基本用語と関連技術をわかりやすく解説
- 21h02m01
- 5 日前
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更新日:5 日前
【2025年最新版】

ーー 目次 ーーーーーーーーーー
1. はじめに
4. まとめ
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1. はじめに
本ガイドでは、スマートグラスの導入や活用を検討している企業・担当者向けに、関連する重要キーワードや基礎知識をわかりやすくまとめました。スマートグラスを活用した遠隔支援や業務効率化、デジタル技術導入(DX)の推進に役立つ情報を提供します。導入前の基本理解から、実践的な活用シーンまで、幅広くサポートします。
2. 用語解説|スマートグラス・DX関連の重要キーワード
デジタルトランスフォーメーション (DX - Digital Transformation)
デジタル技術を活用して業務やプロセスを根本から見直し、生産性の向上や新たな価値創出を目指す取り組みです。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、ビッグデータの活用によって、業務の自動化や作業フローの最適化が可能になります。
このDX推進において、スマートグラスは「現場の見える化」と「リアルタイム支援」を実現する重要なデバイスとして注目されています。現場作業の映像を遠隔地の専門家と共有し、リアルタイムで指示やサポートを受けることで、属人化の解消・作業の標準化・教育の効率化につながります。
遠隔支援
スマートグラスやウェアラブルカメラを通じて、遠隔地から現場作業をリアルタイムで支援する仕組みです。専門家がライブ映像やAR技術を通じて作業指示を行うことで、現場の作業精度向上や教育・訓練の効率化を実現します。クラウドベースのデータ共有によって、人材不足解消や業務負担軽減にも貢献します。
遠隔臨場
国土交通省が推進する建設業のDX施策の一つで、現場に行かずに検査・立会いが行える効率的な業務支援手法です。スマートグラスを使った現場映像の共有により、安全性の向上や働き方改革にもつながります。
NETIS(新技術情報提供システム)
国土交通省による新技術の活用促進のための公式データベースです。スマートグラスをはじめとするICT機器が登録されており、建設業界での採用が進んでいます。
3. スマートグラスを導入する前に知っておきたい関連機器との違いと活用技術
AR(拡張現実)
現実世界にデジタル情報を重ねて表示する技術です。マーカーやGPS情報を用いて現実世界に情報を表示し、作業効率やトレーニングの向上に活用されています。

VR(仮想現実)
コンピュータによって生成された仮想世界を体験する技術です。VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)を使用し、没入感のある体験を提供することで、トレーニングやシミュレーションに活用されています。

ウェアラブルカメラ
身体に装着して使える小型・軽量のカメラで、頭部や胸、腕などに取り付け可能です。手を使わずに撮影できるため、作業中の動きを妨げず、特に頭部装着時には視線と同じ映像の記録が可能です。多くの機種は防水・防塵・耐衝撃対応で、過酷な環境でも使用でき、広角レンズや高解像度撮影によりリアルタイムで臨場感ある映像共有が可能です。
クラウドWi-Fi(クラウドSIM)
物理的なSIMカードを使わずにインターネット経由で仮想的なSIM機能を提供する通信技術です。これにより、ひとつのデバイスで複数の通信キャリアに対応でき、移動中でも最適なネットワークを自動で選択することが可能になります。
スマートグラスとの組み合わせにより、安定したインターネット接続で遠隔支援や映像共有をスムーズに実現します。現場作業や屋外業務でも、通信トラブルによる業務中断を最小限に抑えられます。

デジタルホワイトボード
デジタルホワイトボードは、電子的な表示デバイスで、文字や図形の描画、メモ記録、共有ができるホワイトボードです。従来の物理的なホワイトボードに代わるもので、特にリモート会議や打合せ、プレゼンテーションに活用されます。
このデジタルホワイトボードとスマートグラスを連携することで、以下のようなメリットがあります。
スマートグラス×デジタルホワイトボードの連携によるメリット
(遠隔サポート×アイデアのデジタル化)

スマートグラスで現場作業者の映像をリアルタイム共有可能
共有映像をデジタルホワイトボードに表示可能
デジタルホワイトボードのペイント機能で指示を描画
描画した指示をスマートグラスのディスプレイに表示でき、作業者に視覚的に伝達
現場状況を正確に把握し、的確な指示を出すことが可能
問題解決やトレーニングの効率が大幅に向上
このように、デジタルホワイトボードとスマートグラスの連携は、遠隔作業の効率化と効果的なコミュニケーションを実現します。
予知保全(予兆保全)
設備の安定稼働を維持するためには、異常の早期発見と迅速な対応が不可欠です。そのための有効な手段の一つが予知保全です。センサーデータや稼働情報を活用し、設備の故障を未然に防ぐことで、突発的なトラブルを減らし、メンテナンス業務の効率化を図ります。
桜井株式会社の「e-無線巡回」は、温度や振動加速度のデータを無線で収集し、設備の状態をリアルタイムで監視するシステムです。これにより、異常の兆候を早期に捉え、事前に対策を講じることが可能になります。特別な工事が不要で、パソコンやLANケーブルと親機・子機を設置するだけで簡単に導入できるため、コストを抑えながら設備の「見える化」を実現できます。
この「e-無線巡回」からの異常アラートを受信した際に、スマートグラスを活用することで、現場の映像を遠隔地の熟練者とリアルタイムで共有することができます。これにより、迅速かつ的確な指示が可能となり、トラブル対応の効率が大幅に向上します。さらに、作業の様子を動画や写真で記録し、後の分析や改善に活用することもできます。
このように、予知保全システムとスマートグラスを組み合わせることで、設備保全の効率化と信頼性の向上が期待できます。

4. まとめ
本コラムを通じて、スマートグラス関連技術の基本的な理解を深めることで、より効果的な導入や活用が可能になります。各技術の特徴を把握し、自社の業務改善や効率化に役立ててください。

担当者紹介
上原翔太(Uehara Shota)
2019年桜井株式会社入社。
産業材事業部門に配属され、主に工場向けDX製品、IoT製品を担当。お客様ファーストを信念に全国を飛び回り誰よりも汗をかきながらスマートグラスの導入をサポート。
実はF1の大ファンで角田裕毅選手の日本人初優勝の夢に手が届く日も近い…と、期待を膨らませる毎日。