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気化性防錆フィルムとは?メリット・デメリットや使用方法を説明します!

防錆専任担当者が説明する気化性防錆フィルムとは?メリット・デメリットや使用方法を解説

ーー 目次 ーーーーーーーーーー

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1.気化性防錆フィルムとは

気化性防錆フィルム(VCIフィルム)は、金属製品を腐食から守るための特殊なフィルムです。このフィルムは、金属表面に直接触れることなく、周囲の空気中に揮発性の防錆化合物を放出し、金属を保護します。主に輸送や保管時の金属製品防錆対策として使用され、特に錆や腐食が問題となる環境で重宝されています。

防錆フィルムの防錆原理を説明した図

2.気化性防錆フィルムの種類

気化性防錆フィルムは対象金属により大きく3つに分類されます。


①鉄・鉄鋼用気化性防錆フィルム

主に鉄や鉄鋼、ステンレスなどに適しています。


②銅・銅合金用気化性防錆フィルム

主に銅製品、銅合金に適しています。


③亜鉛用気化性防錆フィルム

亜鉛製品、亜鉛めっき製品に適しています。


対象金属によって気化剤の成分が異なり、それぞれ対象金属に吸着し皮膜を形成します。

VCIは防錆油や塗膜のような物理的なバリア効果ではなく、金属表面における「化学的な」反応によって防錆することから、金属ごとに異なった成分の気化剤が必要となります。

そのため、数種類の素材で構成された対象物を防錆する際には、注意が必要となります。



3.気化性防錆フィルムの防錆原理

フィルムに含まれた気化性防錆剤が気化して金属表面を覆う防錆皮膜を形成します。この防錆皮膜が錆や腐食を防ぎます。

気化性防錆フィルムは、防滑油などの塗布が難しい細部まで防錆剤を届けることができるため、より広い範囲での防錆が期待できます。


4.気化性防錆フィルムのメリット・デメリットとは?

 メリット 

  • 透明性が高く、包装した状態でも外から製品の状態を確認できる

  • ヒートシール性があり、角底袋や平袋のような様々な大きさが得られ、汎用性が高い

  • 防錆と包装をひと工程で行えるため、作業効率が向上する


 デメリット 

  • 防錆紙に比べ練り込まれる防錆剤の量が少なく、効果が出るまでに時間がかかる

  • 防錆剤が気化する為、湿気透過率が高くなり長期防錆に向かない

  • 気化性防錆剤が到達しない部分(距離、形状)の防錆効果がない



5.気化性防錆フィルムを選択する際のポイント

①防錆対象金属に使用する防錆フィルムが適応しているか

前述した通り、気化性防錆フィルムは対象金属によって種類が異なるため、対象金属に適応しているのか確認が必要です。

特にめっき製品の場合には、めっきされた防錆対象金属・表面処理に注意する必要があります。亜鉛めっき製品には亜鉛用VCIが適していますが、他の金属による処理の場合、亜鉛用VCIでは、その作用を十分に発揮できず、他の種類のVCIの方が適している可能性もあります。

対象金属・表面処理に適したフィルムの種類を使用することが必要です。


②防錆が必要な期間中に防錆力が弱まる心配はないか

防錆フィルムの有効期間と防錆対策をしたい期間が合っているのか確認が必要です。


③フィルムのサイズは適切か

フィルムから対象物までの距離の指針は30cm以内といわれています。防錆剤がすみずみまで行き渡るよう適したサイズで梱包する必要があります。


④保管環境に問題はないか

湿度が高い場所、時期などの保管環境によっては、乾燥剤との併用による防湿対策が必要な場合があるため注意が必要です。

また、開封後の余ったフィルムは、保管中に防錆剤が徐々に気化し、使用時には防錆剤が少なくなって効果が薄れている可能性があります。


6.防錆フィルムの効果が継続する期間はどのくらい?

気化性防錆フィルムの有効期限は、メーカーにもよりますが梱包後6ヵ月から1年程度となります。

※未開封など保管状態によって有効期間は変動するため目安となります。


気化して形成された防錆皮膜は次第に厚みが薄くなっていくため、防錆効果も弱まります。防錆期間を延長する場合は、新しい防錆フィルムで包み変えることで継続して保管することができます。



7.対象物を選ばない防錆フィルム「インターセプトテクノロジー」

気化性防錆フィルムは汎用性が高く、防湿包装も同時にできてしまいますが、対象金属により種類が異なるためアッセンブリ製品やゴム、プラスチックが含まれた製品にはどの気化性防錆フィルムを使えばいいのか分からない、長期間の防錆では錆が発生してしまうなどの問題点が生じてきてしまいます。

金属部品をインターセプトテクノロジーで包装

その点、桜井株式会社が販売する防錆フィルム「インターセプトテクノロジー」は、対象物を選ばず、多数の金属をまとめて防錆することができます。また、防錆期間も約2年程度維持することが可能なため、工場内での長期保管等を行う場合にトータルコストを抑えることができます。


気化性防錆フィルム同様に平袋、角底袋などに加工できるため汎用性が高いだけではなく、インターセプトテクノロジーは梱包してからすぐに防錆効果を発揮します。


もしご存じではなかった方、少しでもご興味を持っていただけた方は、ぜひ問合せフォームよりご相談ください。まずは資料をみたい、という方は資料DLフォームよりダウンロードしていただけます。


8.おわりに

今回は気化性防錆フィルムに関してさまざまなポイントをまとめてみました。防錆対策として気化性防錆フィルムをご検討されているお客様にお役に立つ情報となり、また「インターセプトテクノロジー」についても知っていただけましたら幸いでございます。


桜井株式会社は、防錆対策にお困りのお客様に、しっかりとヒアリングをした上で最善と考えるアドバイスをご提供いたします。お困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



執筆者紹介

 

第三営業部 開拓・開発グループ

防錆フィルム「インターセプトテクノロジー」販売の中核部門として活動。2023年7月にインターセプトテクノロジージャパン㈱より事業譲渡を受け、日本総代理店として米国EMI社とパートナー契約を締結。現在、国内はもとよりアジア各国へ販売展開中。

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