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【金属の錆】色の種類による影響とは。それって良い錆?悪い錆?



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1. 錆の色は大きく分けて7色あります

様々な機械、建造物、車両などの金属部分に発生する錆。錆による経済的損失は、世界中で年間数兆ドルに達すると言われています。錆と言えば、沿岸部の橋梁や放置された車、鉄製のフェンスやポールなどに発生する赤黒くザラザラしたものをイメージする方が多いと思います。この金属を劣化させボロボロにしてしまう赤黒い錆を含め、7色の錆があるのはご存じでしょうか?


2. 錆発生の原因と発生条件によって異なる錆色

錆びの発生には様々な要因がありますが、主に酸素と水分により、金属が酸化する事で発生します。錆には金属の種類や発生条件によりいくつかのパターンがあり、酸化反応により生成される化合物が持つ色の錆が発生します。

サビ発生の原因の図

3. 【現場で見かける】代表的な錆の種類

赤錆

錆と聞いて多くの方がイメージする赤褐色の錆です。企業の防錆担当者としては、この錆を目の敵にしている方も多いのではないでしょうか?鉄、鉄鋼によく発生する錆で、空気中の酸素と反応してできる酸化鉄(Fe2O3)に結晶構造の違う多数の鉱物が混在して錆を形成しています。赤錆による腐食が進行すると、金属がボロボロになり強度や機能を保てなくなります。一方例外として、銅に発生する赤錆は、腐食ではなく保護皮膜の役割として銅本体を守る働きをします。これは銅と空気中の酸素が反応すると酸化第一銅(Cu2O)に変化することが理由となります。


茶錆

こちらも赤錆と同様に、鉄や鉄鋼、銅に発生する錆ですが、茶色に見えるのが特徴です。茶錆と言っても、色の濃薄によって効果が異なります。比較的濃い茶色をしているものは、金属を腐食させて強度や機能を保てなくします。一方、比較的明るい茶色は、金属表面を保護する役割をもたらします。


黒錆

赤錆と同じ酸化鉄ですが、黒錆は分子構造が異なります(Fe3O4)。高温下で人工的に生成される錆で、一般的な鉄に対しては自然発生しないものです。黒錆は酸化被膜を形成し、赤錆の発生を抑える効果があります。金属表面を保護する役割があることから良い錆として認識されていて、黒染とも呼ばれています。


青錆

主に銅に発生する錆で、緑青(ろくしょう)と呼ばれています。銅板屋根や銅像などに見られ、銅の腐食を防ぐ効果があります。以前は有毒な成分と考えられていましたが、現在は無害であることが科学的に証明されています。

銅製品については、そもそもが緑青による衛生上の危害を防止するために定められたものではあったのですが、これは実は昭和56年に銅酸化物の生体に及ぼす影響に関する研究で、実は緑青に関する危害は否定されてございました

参考文献:08/01/18 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 平成20年1月18日議事録|厚生労働省


白錆

亜鉛やアルミニウムに発生する灰白色の粉状の錆です。腐食性はほとんどなく、金属の強度や機能に影響は与えないとされていますが、外観の問題で除去が必要になる事があります。


緑錆

鉄や銅、ニッケルなどに発生するパティナと呼ばれる緑色の錆です。錆に対して強いことで有名な素材のニッケルでも、稀に緑色の錆が発生することがあります。他にも鉄、銅にも発生することがありますが、その際「酸素が少ない場所」で稀にみられるもので、空気に触れるとすぐに赤錆へと変化してしまいます。現場で見かける機会は比較的少なく、一部ではその綺麗さから魅力的に受け取られるケースもあります。赤錆に変化してしまう錆ではあるため、良い錆かというとそうではないのかもしれません。


黄錆

鉄や亜鉛メッキ加工した鋼板に発生することの多い黄色の錆です。 塗装や塗膜処理を行った鉄鋼製品で発生することが多く、これはリン酸亜鉛処理工程を行う過程で発生しているのではないかとされています。原因は明確には分かっておらず、さまざまな発生原因が考えられています。


4. 錆色ごとに発生する物質一覧

錆の種類

発生する物質

良い錆?悪い錆?

赤錆

鉄、鋼、銅など

基本的には悪い錆。銅のみ良い錆

茶錆

鉄、銅

濃い茶色は悪い錆。明るい茶色は良い錆

黒錆

鉄、鋼、銅など

良い錆

青錆

良い錆

白錆

亜鉛、アルミニウム

良い錆

緑錆

鉄、銅、ニッケル

悪い錆?

黄錆

鉄、亜鉛メッキ加工した鋼板



5. おわりに

「錆=金属を腐食させボロボロにする」という悪いイメージがありますが、これは代表的な錆である赤錆に対するものです。

一方、黒錆や青錆など、表面皮膜を作り腐食の進行を抑える効果があり、自由の女神や鎌倉の大仏に代表されるような見た目の美しさを与えるといった良い錆もあります。

今回は錆についてのお話でしたが、そもそも金属は自然界に存在する鉱石に加工をして作ったものです。大気下で元の形に戻ろうとする化学変化が錆であり、錆に良いも悪いもないのかも知れません。


当社では、防錆油を一切使わない画期的な防錆フィルム「インターセプトテクノロジー」を販売しております。なぜ防錆油が必要ないのか、について説明したページがありますので、ご興味がございましたらぜひご覧ください。







執筆者紹介

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第三営業部 開拓・開発グループ

防錆フィルム「インターセプトテクノロジー」販売の中核部門として活動。2023年7月にインターセプトテクノロジージャパン㈱より事業譲渡を受け、日本総代理店として米国EMI社とパートナー契約を締結。現在、国内はもとよりアジア各国へ販売展開中。


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